TraEnglishは音読(シャドウイング)アプリです。 高校生以上には、その英文の素材として、「英語によるスピーチ」が非常に良いんじゃないかな、とおもっています。
なぜでしょうか?
英語で話されている多くのスピーチには、次のようなエッセンス、特徴、テクニックがあります。
- 具体的に、分かり易く話しかける
- 普段の言葉で話しかける
- 感情豊かに話しかける
- たとえ大勢であっても、一人一人に話しかける
なぜこのような特徴が英語スピーチにあるのか、アメリカにおける、「スピーチ」とはどういうものなのでしょうか?考えてみました。
- 多民族・多文化言語としての英語
日本の政治や行政の世界では、難しく抽象的に言うと批判されない、という「逆のテクニック」があるそうですが・・日本でのスピーチは除外するして、Youtubeにあるような英語のスピーチは、何のためにしているのでしょう?
誰かになにかをわかってほしい、行動してほしい、そのためのスピーチです。
私達も、もし、世界の人々に何かわかってほしいことがあれば、日本語の順序をほどき、社会的価値観の順序を一旦は解いて、人間の本質にそぐわないものを民族や言語を超えて、訴えつづけるしかないのです。そのことが、私達の人格・社会・文化も、そして、世界も、よりよいものに変えていける方法です。
もし、「話し手の集団的価値観」がそこにあれば、聞き手も、「聞き手側の集団的価値観」を参照するでしょう、価値観が異なれば結果的に、話し手のスピーチは、聞き手側には、全く受け難いものになります。
英語スピーチには、多民族・多文化を尊重した話し方、言葉が多くあります。 - 自分を(うまく)前に出すということ
異なる集団、異なる価値観の、初対面の相手と良い関係を築くには、信頼関係が大事です。たとえば、社会において「社外への営業」を考えてみましょう。会社間の価値観がことなっていても、自分をうまく前に出して相手から信頼関係を得られれば、お互いの専門的な知識や技術を交換するなどをして、相互利益的な関係となって、お互い尊敬ができて、よりよいコミュニケーションが取れるようになります。話の内容がどれだけ理論的で、利益をもたらしそうなものであっても、人は信頼を感じられなければ、うまい話に騙されないようにするだけです。信頼とは、個人・個性を強く認識できるようになって、始めて生まれます。なるべく話の中で自分を出して、信頼をしてもらえるようにしていきましょう。
英語スピーチには、「自分をうまく前に出す」話し方、言葉が多くあります。 - 言葉が印象・記憶に残るメカニズム
自分とかけはなれた言葉、感覚をえられない単語、抽象的な内容は、無理をしない限り、全く記憶に残りません。そういったものは、具体的なものと結びつき、沢山の同じような例があって、概念・観念という抽象的なことを認識・理解することで、さっと覚えることができます。
英語学習を考えると、具体性に欠け、自分と結びつかないような単語帳や英文法の学習は、なかなか記憶されず、数年後にはゼロになるわけです。
高校のときでも、遅くまで勉強していて、気休めに聞いていたラジオがおもしろかったなぁとか、あの先生はこんなイヤなことを言ったなぁとか、暗記した内容は忘れても、そういう感情に結びついたことは1発で長く覚えています。
英語スピーチは、感情豊かで、人々の記憶に結びつく要素が沢山ちりばめられています。